2010年10月21日木曜日

受け継がれるモノ

先日、ある秋の個展を拝見させてもらった。

バラエティー豊かで、美しい作品たちは、

どれもが、感動のため息が出たけれど、

その中でも、今回ちょっと感動したものを書き留めてみたい。

ある新作の着物を拝見させていただいたが、

それは、美しい一幅の絵画のような着物だった。

流行の細かい飾りなどもちろんないし、

昨今の色がけばけばしく、人目だけを引く目的のものでもない

つまり、ごちゃごちゃと飾り立てられた

ごまかした絵の連続ではない。


それは、小手先やごまかしが一切きかないものだった。


そう、晩年の並河靖之氏が行き着いたような

余白の美がそこにあった。


その着物の柄は、

ご主人の先代のお父様の時代に製作されたそうな

二代に渡り、時空を超えて受け継がれた柄である。

当代のご主人は、受け継がれたものにただ満足するだけでなく

更にその柄を推敲し、推敲し 色の配色 色の具合 大きさ 配置 

線の太さの強弱まで改良しただろう

きっとご夫妻は、これまでに何度も何度も

何夜も何夜も推敲されてきたことだろう

凄い確立と素晴らしいバランスの中から切り取られたものだ

そんな、素晴らしいモノをこんな間近で

たっぷり拝見させていただく事に感謝ばかりです。

そして、その他の感動した作品も作家さんたちが

大好きで大好きで作ったモノ

想像を超える細かい手間と暇をかけたもので

だけど、かわゆくて、なかなかその辺で

拝見できないものばかりだと思う。


絵と違いこの手の作品は、手元に残らない

使われてなんぼの世界。


だからこそ、一瞬のきらめきが、そこに凝縮されていた。



さて、今の私に一番足らないのは・・・

きっとこの何度も何度も繰り返す継続力と、

その中から出るひらめき

繰り返す継続力よりヒラメキが出ると教えていただいたのは

尊敬する岡部賢二先生です。


好きなことは、楽しくて楽しくて、仕方がない

寝食も忘れてしまうというモノだと思った。

青い鳥のようにこれから探すという意味ではなく、、、
そして、悲しいかな食い気が先に立つトホホな私


その人のキラキラが、作品に投影され、

観たものは、作品の美しさと共に息吹を感じる

いろいろな意味で、元気が出る秋の展覧会でした。

                         気になるお店はこちらです。

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