クチナシの花

子供の頃、不思議と植物を育てる能力があった。

隣の家の園芸好きのおじさんに株をわけてもらい

猫の額の小さな、スペースでいろんな野菜も植えたし

菊も栽培したりした。おじいさん、ど・びっくりの出来。

だって、おじいさんは、私に無理だと思うけどといいながら、

キレッっぱしをくれたのだから。

そういえば、母も園芸が好きだった、当時は薔薇を育てていたなぁ。

さて小学校の時、緑化委員になった私は

クラスで与えられた畑に野菜以外に米を植える。

たぶん授業で、米作りとは？というかじりで授業があったんだと思う。

３年生の課題、じゃがいもを植えている横で

小学生ながらに考えて、ブロックで畑の一角を区切り

どこからか粘土質の土を探してきて、それを敷き

水田を作り、にわか田んぼにした。

今考えると、そんな発想が浮かぶ小学３年生ってネ(^_^.)

でも見事、芽が出て、順調に夏も超えた。

だけど、私たちが栽培していることは

担任の先生以外、知らなかったと思う。

畑にはいつも時間帯が合わないのか

人はいなかったし。

もちろん、夏休みにちゃんと水遣りにもいっていた。

そして、待ちにまった稲穂が実る頃、

ある先生により、勝手に稲を収穫されていた時は

綺麗な鎌の切り口を見ながら、かなり、おったまげた。

育てたのが、誰かも分からないから、

断りの１つもない。

きっと、台風が来る前に刈ってやろうというのだろう

だけど、緑化委員３人は立ちすくむ、

子供には、かなりショッキングな出来事だった。

お米は幻になった。

そんな、ちょっとおもろいエピソードがある私

しかし、いつの頃からか、

私の園芸力はすっかりなくなっていた。

ここ２０年は、すべての植物は育てることができない。

片っ端から、枯らすのである。

いつか東城百合子さんの楽しい講演会の後で

設営準備をしてくださった有志の方たちから

いただいた、枇杷の苗木、５本もすべて見事に枯らす。

会社に長年あった、木も花も片っ端から枯らしたし

惨敗・また惨敗。惨敗祭り。

さて、この初夏、家のお片づけがひと段落し、

人様の家も何故か無事に片付けが終わり

私は、切迫した家計のこともあり、この夏

猫の額のベランダで野菜を植えてみようと思った。

きゅうり・とうもろこし　

そして、それらの虫除けに何種類かのハーブを組み合わせる

出来れば、夏には取れたてのきゅうりで、糠漬けしたいと願う。

知人のつてで、枇杷の苗を１本もらうことが出来た。

これはいざという時の、お手当て用に。

そんな話を友人のHaijiさんにしていたら、折角だから

お部屋に花などは飾らないのかな？とアドバイスを受けた。

Haijiさんの家は、いつも綺麗に片付いているのだが

それに、プラスして季節のお花や様々な植物が気持ちよくあって

本当にとても気持ちの良いおうちなのだ。

私は、アドバイスを受けた時、

最初は、またきっと枯らしてしまうだろうし

そうなると可愛そうだから

ちょっと今の私には、まだ無理だなぁ~と思っていたが

糠づけもどうやら、今は乳酸菌たちが

家出せずいてくれるし(^_^.)

何か分からないけど、もう１歩進めてみようと思い。

１年発起して、花を買ってみようと思った。

そしたら、よく行くショッピングセンターで

珍しく　クチナシのミニ鉢植えがあった。

クチナシの花と匂いの好きな私♡

だけど、これは地植えするものだと思っていたので

この花を育ててみるというのは、頭からなかった。

もちろん販売しているのを見るのも

私は初めてだった。

売り文句のカードを見ると、花言葉は「私は幸せです」だった。

花言葉なんていう、柄じゃ私はないけれど

いろんなものがピン！と来て　速攻、買うことにした。

今、その鉢植の硬い蕾が今まさに

緑から白に変わりつつある

甘い芳香が、部屋内に微かに漂いだした。

是非とも、いいお花を咲かせたいと思う。